こんにちは、ITKJです。
ここではジャズセッションについて僕の体験談からギタリストの視点で、ジャズセッションの話の為の環境整備的な事を書いてみようと思います。
というのも、ここで書いてあるものや見方は僕の個人的な見解であって一般論ではありません。
まったく違うご意見の方も沢山いらっしゃることと思います。
この記事が正解ではないという事を最初にお断りさせてください。
それでもジャズセッションに関心はあるけど参加できずにいらっしゃる方へ、僕の今までの体験から僕が参加する時に心がけている事を中心にはじめて参加するジャズセッションが「楽しかった!」となる事に焦点を当てて少しでもお役に立てる記事になるように書いてみようと思います。
僕のジャズセッションデビューはそれはそれは悲しくて心細くて辛い思い出です、今思い出してもあれは辛かったです。。
これを読んだ方が僕と同じ目に遭わずに楽しくセッションを過ごせる事を第一の目標として書いてみます。
僕はギターなので記事が全体的にギタリスト視点なのですが、他の楽器の方にとってもジャズセッションに行ってみたいなと思ってる方にはお役に立てる事が書いてあると思いますので読み進んで頂けたらと思います。
ジャズセッションについて
楽器を演奏する方にとって、ジャズセッションに興味のある方って多いんじゃないかなと思います。
僕も以前に参加してみたいなとずっと思ってて、でも「怖いなぁ」と思って参加できずにいた時期がとても長かったです。
僕と同じように思ってる方にどういう風に伝えたらいいかなと色々と考えてみたのですが、最初に「何を演奏するのか」から書いてみたらうまく伝わるかなと思いましたので最初に取り上げられる曲について書いてみようと思います。
セッションで取り上げられるジャズスタンダードについて
僕が以前、ジャズセッションに通うのが日常化してからバンドでボーカルをしている友人から「ジャズセッションに歌で参加するには歌いたい曲の譜面を持っていけばいいんだよね?」と聞かれた事がありました。
この質問には僕はイエスともノーとも言えませんでした。
なんでかと言うと「歌いたい曲による」からです。
その歌いたい曲がいわゆるジャズスタンダードであれば「イエス」となりますし、懐メロや昭和歌謡曲のようないわゆる「邦楽」だったりするとちょっと微妙な空気になってしまう可能性があるからです。
実力のあるベテランさんやプロの方であれば対応してもらえると思いますが邦楽はジャズセッションでは例え皆が知っている国民的な曲であっても基本的には想定外の場合が多いと思います。
「ジャズのセッションに来る人は譜面読めるのが当たり前じゃないの?」と思ってる方が多いと思いますが、僕の感覚では半数以上の方が譜面の初見演奏をハードルの高い事としていると思います。※バリバリ読める方も当然いらっしゃいます
僕も恥ずかしながら初見で知らない曲はよほどシンプルでなければテーマを弾けません、知ってる曲であっても複雑なメロディは初見演奏はできないです。
でもそれでもジャズセッションには参加できるのです。
ジャズセッションは無秩序にやりたい曲をやるセッションではなくて、ジャズスタンダードと呼ばれるものでセッションをするという事が参加者全員の共通理解になっています。
ではジャズスタンダードってどんなものを指すのかというと僕は明確な定義を聞いた事はないのですが、ある意味で大御所のジャズジャイアントと呼ばれるミュージシャンが音源として残しているものは全てOKなのかなと思います。
わりと途方もない量の音源と譜面が今はとても簡単に手に入るので、ジャズセッションに通われているベテランミュージシャンクラスの方だとジャズスタンダードの定義はまた違ってくると思います。
でもジャズセッションに来る人みんながみんなそんなクラスの演奏が出来るわけでは当然ありません。
「テナーサックス習い始めてセッションに挑戦しにきました」という方や「昔吹奏楽部でトランペット吹いてました、アドリブとかよくわからないのですがセッションに来てみました」という方も沢山いらっしゃいます。
本当に多いです。
そこで、もし今ジャズスタンダードに対してこれというイメージを持たれていない場合は手掛かりとしてジャズスタンダードの定義付けは「マイルスデイビスとチャーリーパーカーが音源として残しているもの」としておくとジャズセッションへの理解がとてもわかりやすくなると思います。
あくまで切っ掛けとしての考え方なので、この定義ではジャズスタンダードと呼ばれる曲を当然カバーしきれませんがジャズセッションがどういうものなのか理解する事には役に立つわかりやすい見方になると思います。
たぶんジャズセッションのベテランさんから見ても、セッションにまだ不慣れな時にはこういう括り方をして理解を深めようとする事に反対と思われる事はないんじゃないかなと思います。
なのでジャズセッションでどんな曲を扱うのかに対して具体的なイメージが持てないという方は「ジャズセッション=チャーリーパーカー・マイルスデイビスセッション」というくらいに思っておいても最初のうちは大丈夫だと思います。
「なんでチャーリーパーカーとマイルスデイビスなんだろ?」と思われるかもしれませんが、ジャズセッションにおけるこのお二人の重要性についてジャズに精通しているわけではない僕でもいくつか挙げられる事があるので書いてみます。
チャーリーパーカーはビバップの中心、マイルスデイビスはあらゆるジャズの形態に関わってきた
チャーリーパーカーはビバップと呼ばれるジャズの形態の中心人物、マイルスデイビスはたくさんのジャズジャイアントとの共演を生涯に渡って続けられました(というかご本人がそもそもスーパーレジェンドなのですが)。
チャーリーパーカーはアルトサックス、マイルスデイビスはトランペットとそれぞれの分野でのトップミュージシャンです。
また、マイルスデイビスに関してはビバップ・ハードバップといったたぶん多くの日本人がふんわりと持っている「いわゆるジャズに対するイメージ」のジャズ形態のど真ん中で大活躍されたミュージシャンです。
断定は出来ないのですが、ジャズセッションで取り扱われる「ジャズスタンダード」はこのビバップ・ハードバップと括られるものが主流と考えても大きく間違える事はないと思います。
ちなみにマイルスはジャズの世界を超えて僕らギタリストの世界のジミヘンドリックスやジョンレノン等の当時のロック界のトップとも親交があったそうです。
ちなみにマイルスはジミヘンと知り合った後に、バンドに参加するギタリストに対して「ジミの様に弾け」という指示を出していた事はとても有名だそうです(んな。。)
チャーリーパーカーとマイルスデイビスはセッション参加者にとってわかりやすい共通点になっている
セッションはその場で打ち合わせして演奏します。
そんな時にイメージの共有が出来ているととても演奏しやすく、またみんなで楽しく演奏できます。
そういう意味からもこのお二人は功績からも著名度からもアルトサックス・トランぺッターのみならず、他楽器も含めジャズセッションに参加する人の規範となる存在になっています。
ですので無数にあるジャズスタンダードの中から何を選べばいいのかわからない時は、チャーリーパーカーとマイルスデイビスが音源として残している曲から「この曲かっこいいなぁ」という感じで選ぶと良いと思います。
セッションなので自分が楽しいだけじゃなく、自分の選曲が演奏をご一緒していただく方にとっても楽しいもになった方が喜びは倍増すると思います。
そこで、僕はこのお二人が残している名盤の中からセッション用のレパートリーを数曲用意する事をお勧めします。
もちろん大好きな曲があって「この曲がやりたい!」というのがあれば積極的にやっていいと思います。
ただしあまりこういう事は控えたいのですが誤解を恐れずに書くと、セッションにまだ慣れていなくて優しい曲と難しい曲の区別がつかない場合は自分の好きな曲は控えた方が良い事が多いと思います。
たとえばジャズで有名な曲だからという事で突然チックコリアの「humpty dumpty」とかハービーハンコックの「the eye of the hurricane」などの高難易度の選曲をすると、確かに有名な曲なのですが「え!」と言われる事が多いと思います。(ただし一部の方からは熱狂的に迎えられ喜ばれると思います 笑)
それとあまりにもマニアックな選曲をして選曲した本人以外は知らないという事がおきると、本人以外は譜面を追いかけて終わってしまい「なんだかよくわからなかった」という感想を持たれてしまう事もあったりします。
進行の難易度が高い曲やキメや仕掛けが多い曲・あまりにもマニアックな曲は、慣れない内はいきなりステージで曲名を告げてお願いするよりもホストの方に「この曲でセッションしたいんですけど」と前もって相談しておくのがいいと思います。
そこでセッションにおける難易度やマニアック度の基準が持てない時にチャーリーパーカーとマイルスデイビスの名盤を活用する事をお勧めします。
また、僕はジャズセッション不慣れな頃に一人で沢山練習していたバラードで難曲の「'Round Midnight」をやらせてくださいと言ったところベースの方から「いや~今はそれやめといた方がいいよ」と言われて、沢山予習をしてきた僕は最初何故かわからずに微妙な空気にしてしまった事があります。
「'Round Midnight」もマイルスデイビスは名演を残していますがバラードはアドリブ回しには不向きだったりします、また人が多く集まっていてホストの方がセッションの進行が滞りがちになって困っている時などでもバラードはあまり好ましく思われないです。
でもたまたまその日が人の集まりが悪い時であればむしろ喜ばれる事もありますので大好きな曲はいつでも演奏できるように準備しておくのは絶対に良い事と思います。
大好きな曲を演奏する事はそもそもの楽器演奏の動機であって他人がとやかく言う話ではないからです。
が、セッションの場合は「セッションはみんなのもの」という価値観は常に持っておくと良い事が多いと思います。
この「セッションはみんなのもの」という観点から考えると、チャーリーパーカーとマイルスデイビスは最高に頼もしい存在になります。
「みんなが知っている」「残している音源がビバップ・ハードバップ・モードの規範となっている」といった要素を揃えている事から、ジャズセッションで取り上げるのに大変好まれ結果的にセッションにおける定番曲をもたくさん残している存在になっていると思います。
ギタリストにとってはマイルスはあまり馴染みが薄いかと思いますが、セッションに参加しようかなとお考えの方にはまずはマイルスデイビスを身近な存在にする事でジャズセッションの世界もぐぐっと近づいてくると思います。
この記事のまとめ
セッションの流れやセッションでお勧めするスタンダード等については別記事におって書いてみようと思います。
書いてみて思ったのですが、やっぱりセッションの考え方は人それぞれ違うと思います。
冒頭でも書きましたがあくまでも僕の個人的な見方と思ってもらえたらと思います、まったく違う考えの方も沢山いらっしゃると思います。
なかなか書き方がまとまらず、キーボードを叩く手がすすみませんでした。
それでもこの記事で一人でも多くの方がブルースセッションと同様にジャズセッションへのハードルが少しでも下がって足を運んで貰えるような記事が書けたらいいなぁと思って続きを書いてみます。
次の記事ではジャズセッションにおけるフロントとリズムセクションについて書いてみましたのでよかったらこちらもご覧ください。
・最初に準備する曲はチャーリーパーカーかマイルスデイビスの名盤から選ぶ
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