こんにちは。
この記事では前回の記事の続きでボーカルの方がはじめてブルースセッションに参加するにあたって実際にセッションでよく歌われ、またボーカルさんが歌うのに相応しい定番曲についてご紹介します。
ブルースセッションへ関心のあるボーカルの方へ「ここまで知っておけば安心」という所までを3つの記事で説明していて、これは最後の記事になります。
前回の記事の、ブルースセッションの実際の流れについて関心のある方はこちらからご覧いただけたらと思います。
またボーカルの方がブルースセッションに参加するメリットについての記事を読まれていなかったらこちらの記事も併せてご覧いただけたらと思います。
お勧めするボーカルの方の為のブルースセッション定番曲
ここから、ブルースの事をあまりよくわかってなくても安心して歌いやすい曲を3曲紹介してみようと思います。
歌詞などはインターネットで調べれば出てくると思いますので準備してみてください。
「route 66 lyrics」のようにグーグルなどで検索してみてください。
歌詞カードを作る時に、以下に案内する曲毎の演奏指示内容も一緒に書いておけばセッションの現場できっと安心して頂けると思います。
ルート66
・キーはG
※メロディーがこの2つの音源とおなじ高さで良い場合
・リズムはシャッフル(もしくわスウィング)
・カウント出すので頭から入ってもらい、メンバーの1人にワンコーラスソロをとってもらう
※2コーラス目から歌い始める
・2小節目上がる
・ツーファイブ進行
・サビでブレイク
演奏指示の4つが最低限伝える必要がある項目です。
補足指示のツーファイブとは以下の様に基本の12小節進行が少し変化するもので、一般的にはジャズブルースと呼ばれる進行の事をブルースセッションでは便宜上ツーファイブと呼んでいます。
キーはGです
リズムはシャッフルでお願いします
カウント出しますので皆さん頭からお願いします
(メンバーの1人に向けて)最初のワンコーラスソロお願い出来ますか?
2小節目は上がってください
ここまでの説明はこんな感じに伝えれば確実に伝わります。
曲の終わらせ方に関しては演奏指示の段階で伝える事はあまり多くないです、しかし伝えてはいけないという事はありません。
ここまで説明してから「このバンドの方頼れそうだな」と思えた場合は追加で以下の内容も大丈夫か聞いてみるといいと思います。
ツーファイブ進行でやりたいのですがお願いできますか?
それとサビでブレイクもいれたいです
これを伝えると、ルート66を知ってる方ならしっかり対応してもらえます。
もしたまたまメンバーの方でルート66を知ってる方が一人もいなかった場合、これを伝えてもあまり手ごたえのない反応が返ってくる事があります。
セッションなのでバンドメンバーの方だってブルースセッションに不慣れな方ももちろんいます。
そんな時は、
それでは普通の進行でお願いします
と笑顔で言えるゆとりを持ってもらえてたら、僕ら演奏側もとても安心して楽しく演奏できます。
でも、ボーカルさんでセッションに参加される時、大抵の場合はセッションホストの方がよい感じにメンバーを手配してくれると思いますので是非「ツーファイブ進行」と「サビでブレイク」は伝えてみてください。
この曲の終わり方にも「定番」の終わり方があり、音源として挙げたナットキングコールと同じように最後の4小節を2回付け足して終わるのがお決まりになっています。
最後のコーラスに入る直前か、最後のコーラスの途中で「ラストタイム」とか「終わりま~す」とメンバーへ伝えます、ここは頑張りどころです。
この声掛けはベースの方へ伝わるようにするとしっかりと曲が終わりやすいです。
うまく伝わらないまま繰り返し直前まで来てしまった場合に歌いながら最終手段として自分のおしりを叩くなどのかなり強引な技もあります、コーラスの終わり4小節の事を「おしり」や「ケツ」というセッション用語の意味からこういう伝え方もあります。
「終わるよ~」の意味を持ちます。
女性だとなかなかやりづらいと思いますが、ブルースはタフな音楽なのでステージでこんなパフォーマンスをするとめちゃくちゃウケる面もあったりします。
でもこんな事しなくても普通に声でやり取りするのはセッションでは普通の事です。
最後のコーラスの途中で「ラスト」とか「終わるよ~」と伝えれば、大きな音が鳴っているので言葉は届いてなくても意味は届いてちゃんと終われますので心配しなくて大丈夫です。
レット ザ グッド タイム ロール
・キーはF
※メロディーがこの音源とおなじ高さで良い場合
・リズムはシャッフル
・カウント出すので頭から入ってもらい、メンバーの1人にワンコーラスソロをとってもらう
※2コーラス目から歌い始める
・2小節目上がらない
・合図した時ブレイク ※しなくても大丈夫
この曲もブルースセッションでよく歌われる定番曲の1つです。
基本的にはこの曲はツーファイブにはしませんが、ジャズブルースで歌ってもありな曲なのでツーファイブをお願いしても大丈夫な曲です。
実際の指示の出し方としては
キーはFです
シャッフルでお願いします
カウント出しますので皆さん頭からお願いします
(メンバーの1人に向けて)最初のワンコーラスソロをお願いできますか?
2小節目は上がりません
のように伝えれば大丈夫です。
終わり方については、この音源ではボーカルの最終コーラスでは終わらずにギターソロに入り11小節目でブレイクしていますが10小節目の頭でブレイクした方がブルースセッションでは自然な感じになります。
実際にセッションでは全員のソロが回り終わった後に歌のコーラスが始まると、ステージ上の皆さんが「なんとなく終わりそうだな~」と思っていますのでボーカルさんの合図を待つ空気が出来ています。
ここで最後のコーラスの直前や途中で「ラスト」とか「終わりま~す」と伝えれば、この曲を演奏していると多くの場合10小節目でブレイクしてくれると思います。
ブレイクの所で最後の歌をバシッと決めると、バンドメンバーの方は何も言われなくてもしっかりエンディングに向かってくれて曲を閉じて貰えますので、実際の曲を閉める合図は「これが最後のコーラスですよ」という意味の「ラスト」とか「終わりますよ~」の掛け声になります。
またこの音源では曲の途中で12小節から外れるショウアップされた大きなブレイクがありますが、このブレイクはやらなくても大丈夫です。
実際に普段ブルースセッションでこの曲を歌われる方も、この大きなブレイクは行わないで歌われる方もたくさんいらっしゃいます。
でも、もしブルースセッションに何度も通うようになりこの曲の事をよく知ってそうだなーと思える方とおなじセットでセッションが出来た際にはチャレンジする価値は大いにあります。
ブレイク時の音出しの合図はボーカルさんの気持ちの入った腕ふりになります。
ボーカルさんの号令でバンドが一斉に一音鳴らします。
「レットザグッドタイムロールといえばこの大きいブレイク」というくらい、ブルースファンの間では認知されていてとても有名なアレンジです。
ボーカルさんがこの曲を歌われる時に、このショウアップされた大きなブレイクをブルースセッションで取り入れる方も勿論います。
これをセッションでばっちりきめられるとむちゃくちゃカッコいいです。
このブレイクでは歌詞の通りに歌ってもいいですし、日本語でおもいっきり自分で言いたい事をここで語っても大丈夫です。
ですので初めてのブルースセッションで実行するのはリスキーですが、ボーカリストとしての1つの目標としてこの曲に取り組むのはとってもいいと思います。
スィート ホーム シカゴ
・キーはE ※メロディーがこの音源とおなじ高さで良い場合
・リズムはシャッフル
・カウント出すので頭から入ってもらい、メンバーの1人にワンコーラスソロをとってもらう
※2コーラス目から歌い始める
・2小節目上がる
・合図した時ブレイク ※しなくても大丈夫
この曲もブルースセッションではもっとも歌われる曲の1つの定番ブルースです。
この曲はツーファイブで歌われる事はありませんので、演奏指示はシンプルなものになります。
キーはEです
シャッフルでお願いします
カウント出しますので皆さん頭からお願いします
(メンバーの1人に向けて)最初のワンコーラスソロをお願いできますか?
2小節目はあがってください
のように指示できれば大丈夫です。
曲の終わらせ方は、まず音源を聴いてみて頂きたいと思います。
最後のコーラスの10小節目という言い方は言葉だとなんだか難しく感じられるかと思いますが音で聞くとなるほどと思えると思います。
最後のコーラスの直前か途中で「ラスト」とか「終わりま~す」と伝えれば、この曲を演奏していると多くの場合10小節目でブレイクしてくれると思います。
10小節目の頭でガッツポーズなんかを決められるととても様になってかっこいいです、またバンドメンバーへもブレイクである事が伝わっていい感じになります。
そこで「きっちり歌いきって」エンディングにはいります。(ブレイクがきまれば勝手にエンディングに行ってくれます)
まとめ
なかなか言葉で説明するのは大変なのですが、僕が思う事を頑張って書いてみました。
ここまで書いておいて難なのですが、うまく行かなくたって大丈夫です。
その時は恥ずかしさでいっぱいになったりもしますが、多分ブルースセッションに集う皆さんはそんな事きにしないと思います。
ここで書いた事をなんとなく頭にいれて是非ブルースセッションへ足を運んでみてください。
きっと「ふむふむなるほど」と思って頂けると思います。
もし参加してみて失敗しちゃったとしてもセッションではそれは普通の事です。
何かのせいで練習の成果が出せない事もあったりもすると思います。
予想外の失敗もあれば予想外の成功もありますし、まあなんかブルースセッションは人間味に溢れていて面白いのです。
1回行ってみただけではこの魅力はなかなか感じづらい所がありますので是非毎週通ってみてそこのブルースセッションの顔になるくらいの気持ちで足を運んで貰えたら、きっと楽しい毎日になると思います。
僕もこれからも緊張しながらライブハウスのドアを開けていこうと思います。
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