こんにちは。
ブルースセッションにはじめて参加する時に知っておくと良いと思う事をまとめてみました。
このページでは音源のサンプルとタブ譜を使って以下の点をご紹介しています。
・はじめてブルースセッションに参加する際に1つだけ知っておけば良いシンプルなバッキングパターン
このページはギターに寄った記事になっていますが、ギター以外の方も参考になるようにも書いてみましたのでよければご覧頂けたらと思います。
コード理論の理解はまったく必要ありません、ブルースの12小節のコード進行が暗記できていればそれだけで大丈夫です。
ブルースをする上ではややこしい理論は不要なのです。
この記事では音源のサンプルを使って説明し、練習用のオケサンプルもありますのできっとブルースのコード進行について理解が深まると思います。
是非楽器を片手に読んで頂けたらと思います。
具体的なバッキングの説明の箇所へ飛びたい場合は目次の項目をクリック(タップ)で該当箇所まで飛べます。
ブルースのコード進行について
ブルースは1コーラスが12小節
これがブルースの12小節の進行です。
ここで覚えて頂きたいのは譜面上のA7とかのコードネームではなく、譜面下のⅠ7・Ⅳ7・Ⅴ7のディグリーネームの方です。
多くのシカゴブルースのスタンダードがこの進行で作られていますので、実際のブルースセッションでもこの進行を基にして主にボーカルの方から演奏指示をされます。
コードフォームやボイシングなどについてはそんなに深い理解やバリエーションがなくてもセッションにはまったく問題なく楽しく参加できます。
セッションする上で指示がでる曲毎にある様々なアレンジは、この12小節の進行をベースにして指示されますのでこの進行(ディグリー)は是非とも暗記して頂ければと思います。
キーと使用するコードについて
ここからはちょっとややこしく聞こえてしまうかと思います。
ですが、ここで書いている事は
・キーのⅣ度Ⅴ度の指板上の位置を確認する
・Ⅰ度Ⅳ度Ⅴ度のコードの押さえ方を確認する
の3点を解説しているだけのものです。
書籍やyoutubeその他で解説されているものとなにも変わりませんので、ご存じの方は次の項目まで飛ばしていただいて大丈夫です。
ブルースセッションでは色々なキーで演奏されます。
キーとは、曲で使われる「音階(=スケール)」の事です。
そしてキーに使われているアルファベットはそのキー(音階)の主役になります。
キーがEと言われたら、Eの音が主役になるという事です。
主役とはキーの「1度」の音になり、実際にその曲の中で主役の役割をします。
理論の解説などでは1度の音は主音と呼ばれたりします。
ブルースを演奏する時はまず最初にキーのアルファベットの音(曲の主役の音)の位置を、ギターの5弦6弦の指板上で確認します。
例えばキーがAだったらAの音の位置を指板上(上の表)で確認します。
この「〇度」というのは基準の音からの距離(=音程)を表す時の単位になり、「度数」と呼ばれます。
スケールの音程を表す際には以下の様にローマ数字が使われる事が一般的です。
キーがCの場合、主役になる1度の音は「ド」になり、4度の音は「ファ」、5度の音は「ソ」になるという感じです。
ブルースの場合は使われるコードはⅠ7、Ⅳ7、Ⅴ7の三種類のみになっていますので、曲のキーがわかればブルースの場合はその曲で使われているコードも確定する事が出来ます。
ルート音とはコードの主役になる音です。
ルート音も1度というふうに呼びます、コードの1度という意味です。
そしてギターは構造上キーの音に対しての4度の音と5度の音の指板上の位置関係は変わらないので、違うキーのブルースを弾く場合にはキーの1度の音の位置を確認すれば4度5度の位置もそのまま平行移動するだけで済みます。
青い印の位置関係に注目すると、キーが違うと青丸の位置は変わっていても青い印の位置関係は変わらない事がわかると思います。※上と下の表を見比べてみてください
ここで確認できたⅠ・Ⅳ・Ⅴの音をルート音(1度)としたセブンスコードが、キーが確認できたBLUESで使用するコードになります。
ブルースを演奏する際に「キーは〇」と確認するだけで、ブルースの基本の12小節進行が暗記出来ていれば使用する全てのコードを確認できてしまいます。
キーを確認してから使われているコードに辿り着くまでを言葉にしましたが、ややこしく感じられるかと思いますが慣れると一瞬です。
ですので、是非ともブルースの基本となる12小節の進行は覚えて頂けたらと思います。
コードの押さえ方については後ほど書いています。
補足:キーとコードの1度について
先ほどキーの音をスケールの「1度」と説明しました。
そしてⅠⅣⅤのコードのルート音の所にも「1度」と書きました。
ここの「1度」についてが少し混乱しやすい所かと思いますが、これは音程の意味する度数の単位がスケールにもコードにも使われている為です。
これを区別する為にキーの1度に対しては「主音」、コードの1度に対しては「根音」と名前が付いています。
ルートは「root=根っこ」の意味の通りです。
スケールという土壌の上に、コードは根を張って和音を形作るイメージです。
なのでもし混乱しても、一呼吸おいて次の事を意識すれば大丈夫です。
コードの押さえ方とはじめて参加する際に1つだけ知っておけば良いバッキングパターン(ギタリスト向け)
ここではブルースセッションでとても汎用性の高いバッキングを紹介します。
ここで紹介するシンプルな1つのパターンを、リズムが違っても弾けるようにしておけば大丈夫です。
はじめは3つのリズムに合わせられるようにしておけば十分じゃないかなと思います。
シャッフル・スウィング・早いテンポの2ビートの時のバッキング
1つ目はミドルテンポ~アップテンポのブルースにおけるバッキングです。
セッションの定番曲であるレットミーラブユーベイベーという曲を題材にバッキングを紹介してみます。
KEY=Gのブルースです。
KEYがGの曲ですので、最初にこの記事で紹介した手順の通りにKEY=Gの時のⅠⅣⅤの5弦と6弦の位置を確認します。
このルートの位置からそれぞれのセブンスコードを確認します、実際のセッションでバッキングで使われるセブンスコードのフォーム(ボイシング)は以下のようなものです。
レットミーラブユーベイベーのようなミドルテンポのブルースでよく使われる一般的なバッキングの音源のサンプルを用意しましたのでリズムのパターンと一緒に覚えてしまえるととても実用的になると思います。
ブルースをバンドで演奏する時ベースが低音をしっかり担当してくれる為ギターはルート音はあまり鳴らしません、ですのでタブ譜のフォーム(ボイシング)はルート音省略形になっています。
タブ譜だけ見ると「5弦6弦でルート音の位置を確認したのに鳴らさないの?」と思われるかと思います。
音は鳴らさないのですが、コードを押さえる時に5弦6弦のルート音が軸となりますので確認は必要な事になります。
そして、このボイシングは7thコードの上のテンションになる9thの音も入っているのもありますが最初はあまり気にせずに形で覚えるのが良いと思います。
このコードのボイシングはブルースセッションで使うとても基本的なものです、とてもシンプルなものですので是非手が覚えるくらいまで繰り返し弾いてみてください。
このパターンを他のキーでも演奏できるようにすると、指板の構造の理解が深まると同時に実際のブルースセッションで他のキーにも対応できるようになります。
AとEのキーのタブ譜を用意しましたので、各キーのⅠⅣⅤの5弦と6弦の位置を確認して是非弾いてみてください。
8ビートのバッキングについて
2つ目は8ビートにおけるバッキングです。
といってもノリが違うだけでシャッフルとコードのボイシングはまったく同じです。
こちらもセッションの定番曲であるアイジャストウォントアリトルビットという曲を題材にバッキングを紹介してみます。
KEY=B♭のブルースです。
KEYがB♭の曲ですので、シャッフルの時と同じようにKEY=B♭の時のⅠⅣⅤの5弦と6弦の位置を確認します。
このルートの位置からそれぞれのセブンスコードを確認します、こちらも8ビートの一般的なバッキングのサンプルを用意しましたのでリズムのパターンと一緒に覚えてしまえると良いと思います。
また8ビートはキーがCの曲もよくあるのでCのキーにも慣れておくといいと思います。
スロー3連のバッキングについて
3つ目はスロー3連のリズムにおけるバッキングです。
こちらもコードのボイシングはまったく同じで、8ビートと同様にリズムの種類が異なります。
こちらもセッションの定番曲であるハブユーエバーラブドアウーマンを題材にバッキングを紹介してみます。
KEY=D♭のブルースです。
KEYはD♭なのですがブルースセッションではこの曲はCで演奏される事が多いと思いますので、キーはCで紹介してみようと思います。
今までと同様に、KEY=Cの時のⅠⅣⅤの5弦と6弦の位置を確認してからコードフォーム(ボイシング)を確認します。
スローブルースでよく使われる一般的なバッキングのサンプルを用意しましたので確認してみてください。
ブルースセッションではスローのリズムはGやB♭でもよく使われますのでこの2つのキーでも慣れておくといいと思います。
この記事の内容に取り組んで頂けていれば、きっとGのブルース・B♭のブルースそれぞれで使われるコートとボイシングは導き出せると思いますので以下のサンプルに合わせて是非弾いてみてください。
KEY=B♭ 練習用サンプル
まとめ
ここではギターを始めたばかりの方へ向けて書いたものですので、ギターを弾ける方にとっては単純過ぎると思われたかもしれません。
しかし、はじめてブルースセッションに参加する時に準備する内容としては僕はこれだけで十分なものだと思います。
記事の前半はなんとかシンプルに出来たらと思って書いたのですがそれでも言葉で説明するとややこしく感じられたかと思います、すみません。
慣れてきたら本当にシンプルな事ですので、普段ブルースを演奏しない方も取り組んで頂けたらとても嬉しいです。
また、もっとバッキングについて知りたいという方はより詳しく書いた記事がありますので「ブルースセッションでのギターバッキングのやり方」からご覧頂けたらと思います。
・キーがわかったらそのキーのⅠ度Ⅳ度Ⅴ度の指板上の位置を確認する
・Ⅰ度Ⅳ度Ⅴ度のコードの押さえ方を確認する
ブルースのアドリブ(ソロ)についての記事の紹介
ブルースセッションに参加するにあたり、「ソロ(アドリブ)を弾く」というのは参加を躊躇してしまう理由の筆頭かと思います。
そこでこういうブログを書くに当たって何人かの頼れる知り合いを通してブルースセッションのハードルを高く感じてる方の理由を色々と聞いてみました。
ブルースではマイナーペンタでソロを弾くのは色んな本にも書いてあるしわかってるんだけど、スケールってどうやって使うのかわかんないんだよなぁ。。
バンドだったらソロをとる所決まってるけど、セッションだといつソロをとっていいかわかんないし。
どれくらいの長くソロを弾いたらいいのかもわからないし。。
こういうご意見は色々と聞いてみて初めて気付きました、セッションに通うのが日常になるとこういう疑問は全く思わなくなってしまっていました。
実はこの記事も大きく書き直ししています。
セッションでアドリブをとる事に対する疑問は人の数だけあると思いますし、だいたいこういうご意見が多いのかと思います。
そこで僕は正解を知っているわけではないのですが、僕が今まで聞いてきたこれらの疑問について個人的に思う事を別の記事にまとめてみようと思います。
ご関心のある方は是非ご覧頂けたらと思います。
他のブルースの紹介ページのご案内
「ブルースセッション 初めて参加する時に知っておきたい事」の他の記事を読まれてない方は是非こちらもチェックしてみてください。
また、ブルースセッションで扱われる定番曲についてより詳しく書いた記事もありますのでご関心がありましたら是非こちらのページもチェックして頂けたらと思います。
またブルースセッションへの理解が深まると思いますので、よろしければ「ギターが上手くなる為のブルースセッションの勧め」という記事も読んでみてください。
定番曲についてはすこしずつ書き足して行こうと思っていますので、ご要望やご指摘等ありましたらお気軽にコメント頂けたらと思います。
ブルースセッション はじめて参加する時に知っておきたい事
ブルースセッション定番曲紹介
キメや仕掛けがある曲
ブルース12小節からコード進行が少し変わる曲
他ジャンルから稀に歌われる曲
コメント