こんにちは、ITKJです。
このページは「はじめてブルースセッションに参加する時に知っておきたい事」の第三弾です。
ここでは、はじめて参加する時に知っておくと良いブルースセッション定番曲が入っているブルースアルバムをご紹介します。
セッション定番曲について
せっかくセッションに参加するんですから少しくらい予習したいな、と思われる方の為に個人的にこのアルバムを聞いておくと良いと思えるものを独断と偏見で4つピックアップしてみました。
まだまだ沢山ありすぎるのですが、とはいえ予習にはこれだけでも十分過ぎると思います。
大体これを知っておけばセッションに来てる人達は何を聞いているんだろ?というおいてけぼり感は持たずに済むと思います。
セッションの予習にお勧めのブルースアルバム4枚
「マディ・ウォーターズ」 ベリー ベスト オブ マディ ウォーターズ 1947-1975
最初にマディウォーターズという、シカゴブルースの最重要ブルースマンをご紹介します。
シカゴブルースの巨匠と呼ばれる人はこのマディウォーターズのバンドに在籍経験のある人が多かったです、ジャズで言う所のマイルスデイビスみたいな存在です。
この方のブルースには「キメ」「ワンコードブルース」など仕掛けのあるブルースが盛りだくさんです。
お勧めアルバムを紹介すると言っておきながら、ぼくはこのコンピレーションアルバムの事を知りませんでした。
マディウォーターズには、以前からあるめちゃくちゃ有名な決定版のベストアルバムがあったのでそれを紹介しようと思っていたのですがここで紹介するベストの方が曲が山盛りでしたのでこちらをご紹介します。
disk1#9 ベイビー・プリーズ・ドント・ゴー
disk1#10 フーチークーチー・マン(キメあり)
disk1#12 アイム・レディ(キメあり)
disk1#13 マニッシュ・ボーイ(1コードBLUES)
disk2#3 ガット・マイ・モジョ・ワーキン
これらの曲はセッションで取り上げられる事が多いです。
特にdisk1#10とdisk2#3,#20はセッションで本当によく取り上げられるマストな3曲です。
またセッションではあまり取り上げられないですがdisk1#11 アイ・ジャスト・ウォント・トゥ・メイク・ラヴ・トゥ・ユー(特殊進行ブルース)はローリングストーンズがカバーした事で有名です。
でもこの曲、よく見るとタイトルが変わってる。。。
ちなみにこの曲には「恋をしようよ」という邦題が付いているのですが、英語圏ではこの言葉はそんなソフトな意味合いでは無いそうです。
さすがに今の時代にはこのタイトルは外国でも無理になったのでしょうか。
意味を知ってからマディの歌を聴くとブルースって濃いなぁとなります。
更に言うとフーチークーチーマンの意味なんてもう大変です、これをあんな高らかに歌い上げるマディ。
面白いので是非ググってみてください。
「ビービー・キング」 ライブ アット ザ リーガル
KING OF THE BLUESこと、ビービーキングです。
ブルースに普段まったく関心の無い方でもこの方は知ってるという人も多い気がします。
僕はこのアルバムのギターを本当によく耳コピーしていました。
#1 エブリデイ・アイ・ハブ・ザ・ブルース
#2 スウィート・リトル・エンジェル
#3 イッツ・マイ・オウン・フォルト
1曲目の「エブリデイ・アイ・ハブ・ザ・ブルース」は後ほど紹介する「スウィートホームシカゴ」という曲と並ぶ、ブルースセッションの「ザ・定番曲」です。
それとこのアルバムには入っていませんが、BB KINGがグラミー賞を獲得した「スリル・イズ・ゴーン」という超有名な「マイナーブルース」もよく歌われます。
ブルースって音楽やらない方には暗いイメージなのかもしれないですが、こうやって短調のブルースはわざわざ「マイナーブルース」と分けている事からもわかるとおり「ブルース」が持つ雰囲気は賑やかで明るく楽しいものです。
先のマディの歌ってる詩の内容からしても、この底抜け感を持っている日本人は少数派ではないでしょうか。
ブルースの歴史とかを見てどうしてこんなに賑やかな音楽が生まれたのかを思うと、支配階級にいた人達も黒人の方が持ってる根っからの明るさやどうにか楽しく生きようとする強さまでは奪えず、それが今日の音楽に繋がっている事を思うと本当にブルースから学べる事はものすごく沢山あると改めて思いました。
アルバム通して先のマディのアルバムよりも実際のブルースセッションの雰囲気はこっちのアルバムの方が近いので、ブルースセッションってどういうものかイメージを知るのにもとてもいいアルバムだと思います。
「マジック・サム」 ライブ
ブルースやる人にむちゃくちゃ人気が高いブルースマンです。
マジックサム本人の異常なまでのギタースキルの高さと歌唱力の高さ、そして苦労の末にやっと実力に相応しいスター街道を手に入れて駆け上がり始めたその最中に32歳の若さで心臓発作で突然お亡くなりになったという悲劇の人です。
ブルースファンでは知らない人はいないという存在なのですが、ブルース知らない人にはまったくと言ってよいほど知られていないのではないかなと思います。
オリジナルアルバムもとてもかっこいいのですが、僕は個人的に聞きこんだこちらのライブ盤をご紹介したいです。
当然ブルースファンの間でこの「LIVE!」はむちゃくちゃ有名なので、セッションに行って「マジックサムのライブを聞いてきました」なんて事を伝えれば「あ~いいの聞いてきたね!」みたいな返事が来ることうけあいです。
視聴だけでもこのライブのテンションの高さと熱気が本当に伝わってきます。
Disc1-#5 トア・ダウン
Disc2-#7 スウィート・ホーム・シカゴ
この2曲は本当によくセッションで歌われています。
特にDisc2-#7の「スウィート・ホーム・シカゴ」はセッションで一番歌われているんじゃないかと思えるくらいの「ザ・定番曲」です。
「オールマンブラザーズバンド」 アット フィルモア イースト
このアルバムはブルースアルバムというよりはロック界で大名盤として歴史に残っているアルバムです、ご存じの方も多いと思います。
僕もめちゃくちゃ聞きました、#6の「In Memory Of Elizabeth Reed」はドリアンスケールの課題として完コピ目指して必死に取り組んだ経験があります(またタイトルもかっこいい)。
全曲めちゃくちゃかっこいいアルバムです、かっこよすぎてやばいです。
ロックの大名盤なのですがブルースセッションでとっても重要なある曲が収録されているので取り上げてみました。
#3 ストーミー・マンデー
という曲です。
ストーミーマンデーのコード進行に関しては、ブルースセッションでは基本知識といっても過言ではない所もあったりしますので是非押さえて頂けたらと思います。
BLUESセッションでボーカルの方が『ストマン』あるいは『ストマン進行』という指示が出たら、以下のようにこのアルバムの#3「Storm Monday」のコード進行でセッションする事になります。
ちなみにストーミーマンデーはKEY=Gでセッションする事がほとんどですのでオールマンの音源で練習しておけばそのままセッションでも有効です。
この曲は「Tボーン・ウォーカー」というモダンブルースギターの父と呼ばれているブルースレジェンドがいるのですが、この人のアルバムに収められている曲に「ストーミーマンデーブルース」という曲があります。
Tボーンウォーカーの音源はいわゆる12小節のBLUES進行の曲です。
「ストーミーマンデーブルース」は#3「Stormy Monday」の元曲で、オールマンブラザーズはカバーした際にコード進行までアレンジされたものが本作に収められていまして、BLUESセッションではストーミーマンデーは好んでオールマンブラザーズの『ストマン進行』で演奏されます。
僕は一度ふらっとセッションに遊びに来たのであろう外国人カップルの方(男性がギター、女性がボーカル)と演奏をご一緒させて頂いた事があったのですが、その方達も
key=G Stormy Monday OK?
みたいな感じで尋ねられぼくらも「あーはー、おおおけ」みたいに答え、不安になりながら始まってみたら外国の方も『ストマン』進行で進んでいった事がありました。
もしかしたらこれは世界共通なのだろうか?なんて事も思ったりしています。(外国の方が単に他のセッションで日本のセッションマナーを学んだだけの可能性もあります)
ちなみに
ストマン、普通で
みたいな指示を貰った事もあります。
オリジナルのTボーンウォーカーも勿論BLUESレジェンドなので、Tボーンリスペクトの精神からこういう指示で歌われる方ももちろんいらっしゃいます。
フレディキングもストマン進行ではないストーミーマンデーを音源に吹き込んでいたりもします。
「せっかくストマン進行覚えて来たのに…」のような感情になるかと思いますがそういう事を言ってはいけません、お互いがお互いの音楽性を尊重し合うのはセッションの基本精神です。
ブルースセッションにはじめて参加する時に知っておきたい事のまとめ
最後までご覧頂きましてありがとうございました。
3記事を使って、僕が思うブルースセッションに初めて参加するにあたっての必要十分な事は全部書ききりました。
と言ったって、
いろいろ書いてあったけど、どこにでも書いてる事ばっかりな気がするのにこれで全部?
と思われたかもしれませんが、本当にこれだけです。これだけ知っていれば十分過ぎます。
むしろ、実際にはここまで覚えてなくて大丈夫!です。
なので「これだけ?」と思われた方はもう十分にブルースセッションを楽しむ事ができます。
ブルースセッションに限らずセッションは「間違って覚える場所、実験場所」という認識でいいと思います。
難しくありませんので後は通って覚えて、音源聞いたり人のライブを見に行ったりして覚えていきます。
間違ってめちゃくちゃ恥ずかしい思いをしても皆さん同じ経験をしてるので全く問題ありません。
というか参加者さんはたぶん酔っぱらってるので恥ずかしくありません、大丈夫です。
僕も参加してる時は酔っぱらってます。
年齢も性別も経験も全く関係ありません。
僕が大好きなブルースセッションがもっと多くの方へ身近なものになったらこれを見てくださったあなたも僕も、毎週ブルースセッションへ参加している全国のブルースファンもみんなが楽しくなると思い書いてみました。
できれば1回行って終わらず、2~3年くらい毎週通い続け「○○の店には△△という上手い奴がいる」と言われるくらいの目標で通えたら意義はもっと出てくると思います。
もし関心が少しでもあるなら、最高に楽しいブルースセッションに参加しない手はありません。
この記事を読んで一人でも多くの方がセッションに足を運んで頂けたら嬉しく思います!
他のブルースの紹介ページのご案内
「ブルースセッション 初めて参加する時に知っておきたい事」の他の記事を読まれてない方は是非こちらもチェックしてみてください。
また、ブルースセッションで扱われる定番曲についてより詳しく書いた記事もありますのでご関心がありましたら是非こちらのページもチェックして頂けたらと思います。
またブルースセッションへの理解が深まると思いますので、よろしければ「ギターが上手くなる為のブルースセッションの勧め」という記事も読んでみてください。
定番曲についてはすこしずつ書き足して行こうと思っていますので、ご要望やご指摘等ありましたらお気軽にコメント頂けたらと思います。
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