こんにちは。
ここでは主にドラムとベースの方へ向けてブルースセッションにはじめて参加する時に知っておくと良い「リズム」について思う事をまとめてみました。
とはいえ僕はドラムの方のようにリズムについての深い理解は無いのであまり突っ込んだ話(ダブルシャッフル等)は出来ないのですが、ブルースセッションってどんなものかなと関心をもっている方への入り口程度の話ならギタリスト視点でリズムの事を書いてもよいかなと思って書いてみました。
リズムについてはジャンルは関係なく共通のものですが、ブルースセッションでは一部のリズムを表す言葉は少し特有の使われ方をしますのではじめて参加される方は知っておくといつか役に立てるんじゃないかなと思います。
ブルースで扱われるリズムについて
ブルースでも色々なリズムの曲があります。
ブルースセッションで演奏指示の時に使われるリズムの単語は大きく分けて以下の5つかなと思います。
・スウィング
・8ビート
・2ビート
・スロー(3連)
シャッフルについて
ブルースで最もよく使われるリズムはシャッフルです。
まず以下の二つのサンプルを聴いてみてください、両方とも同じテンポのシャッフルです。
2つは音もテンポも同じなのにちょっと印象が違ったと思います。
上のサンプルはイーブンのシャッフルで、下のサンプルはウラ拍を次の表拍に寄せた(=遅らせた)シャッフルです。
下のサンプルの方がガッツがあるような印象を受けられたかと思います。
シカゴブルースでは、下のサンプルの様に普通よりもウラ拍のタイミングを頑張って後ろへ粘らせるとすごくいい感じになりとても好まれます。
ウラ拍をどれくらい遅らせるかについては、これは僕の個人的な感覚なのですが思いっきり遅らせた方がいいと思います。
下のサンプルもシーケンサー上では3連符中抜きというよりは16分音符中2つ抜きに近いタイミングで鳴らしています。
聴いて頂いた下のサンプルのウラ拍の位置は「気持ち少し遅いくらいかな」という印象かもしれませんが、実際にはシーケンサー上ではもの凄く遅いタイミングで音が鳴っています。
ですので思いっ切り全力で極端なくらいにゴリゴリにかつちょっとわざとらしいくらいにウラ拍の音は遅らせてみてください。
語弊を恐れずに言うと、つまずいてしまうくらいいびつなシャッフルくらいがちょうどいいと思います。
これを持続させるのは慣れないうちは相当難しいと思います、気を抜くとすぐに上のサンプルの様なイーブンなシャッフルになってしまうと思います。
僕はこんな感じのリズムの上で演奏できるととても楽しくギターが弾けたりします。
とくに難しいテクニックやフィルを入れなくても、このグルーヴを維持するには気持ちが入っている事が必要になってくると思います。
これはドラムとベースに限らず全ての楽器でも言える事だと思います、僕にとってはこれを集中力を切らさずに一曲通して行うのはそれだけでもチャレンジです。
スウィングについて
ブルースセッションで「スウィング」のリズムで演奏する時はジャズブルースであったりシャッフルのような雰囲気ではない曲で使われる事が多いと思います。
ですので演奏も少しジャズっぽい雰囲気に寄せて大丈夫だと思いますが、ブルースセッションではバスドラムとスネアはジャズよりは明確に打ち出した方がいいのかなと思います。
2ビートについて
「2ビート」という言葉は一般的には「1小節を2拍でとる」というものかと思います。
しかしブルースセッションではちょっと違う意味で使われていると思います。
ブルースセッションで2ビートというとこういうアップテンポで賑やかな曲を演奏したい時に使われると思います。
一方、一般的な2ビートというとジャズセッション等ではテーマ部分で使われるようなこういう感じのものを指す事が多いと思います。
しかしブルースセッションではにぎやかで明るい曲を演奏する時に前者のようなリズムを「2ビートで」と指示される事があります。
4ビートと2ビートの定義についてなんだか上手く自分の中で2つの違いが理解できなくて、以前にドラマーの方に質問した事があったのですが
あまりややこしく考えずに、そのリズムにとってふさわしいカウントが2つか4つかで考えた方がいいよ
という事を教えて貰いました。
こう考えると早い方もゆったりな方も、どちらも確かに2ビートと呼べると思います。
ブルースのアップテンポのリズムは「ワンツーワンツー」でも「ワンツースリーフォー」でもどっちでもカウントをとる事が出来るのですが、ブルースの2ビートで紹介したリズムは「ワンツーワンツー」でカウントをとった方が性急な感じがしてふさわしいと思います。
僕はこれをもって2ビートと呼んでると理解しています。
2ビートって本当の所はどういうものを指すのかについては、そんなに考えない方がいいと思います。
と言うのも僕は最初ブルースセッションで2ビートと言われてもあまりピンと来ませんでした。
そこで色々な方に聞いてみたりしたのですが指揮者の棒の振り方で説明して頂いた方や、単純に2/2拍子の事だよと説明して頂いた方等色々な説明を聞きました。
で、今の所僕は「伝わればいっか」というふうに思うようになりました。
そこで先に書きました「そのリズムにとって2つでとるのと4つでとるのとどちらがふさわしいじか」で考えるようにしています。
この2ビートというものが便宜上のものなのか正確な使われ方なのかも僕は結局確証を得られてないのですが、伝わるならそれで良しと思うようになりました。
8ビートについて
ブルースセッションで8ビートと言われると、普段ロックやJ-POPに親しんでいる方からはちょっと違和感があるかもと思います。
こういう曲のリズムはブルースセッションでは8ビートと指示されます。
この曲のリズムセクションはこんな感じの演奏になるかと思います。
16分の所にもハットやスネアやライドが散りばめられているので「16ビート」と呼びたくなる気持ちはわかるのですが、ブルースセッションではこれは「8ビート」と呼ばれます。
また僕は外国のミュージシャンと直接話した事は無いのですが、外国では「16ビート」という呼び方は基本的にしないという話も聞いた事があります。 ※未確認です
また8ビートにはこんな曲もあります。
この曲のリズムセクションはこんな感じの演奏になるかと思います。
この曲はブルースセッションではとても有名でよく取り上げられる定番曲です。
ここでは8ビートとして取り上げてみたのですが、リズムの指示は人によっては「2ビート」とされる方もいらっしゃいます。
ドラムとしては8ビートな方がスマートな気がするのですがベースラインは2分の2拍子的なもので1小節で完結している事から、2ビートとする方が本質的には正しい気もしています。
僕はこの曲を歌った事が無いので演奏指示をされる方がどういう判断で伝えているのかはわからないのですが、ブルースセッションの場で曲名を伝えてもドラムの方やベースの方が知らなかった場合は「8ビートで」と伝えている方が多い印象です。
色々な考え方があると思いますが、セッションの場では8ビートと伝えた方が安全と判断されているのかなと思います。
3連スローについて
ゆったりな感じのブルースは、3拍子のリズムで演奏されます。
余談ですが僕はこのフレディキングのジャケットが本当に大好きで、落ち込んで塞ぎこんでいる時にこのジャケットを見て元気を貰った事があります。
この曲のリズムセクションはこんな感じの演奏になるかと思います。
こういうゆったりした曲はブルースセッションでは「スローで」とか「ハチロクで」とか「3連で」とか「チッチッチッと」といった感じで伝えられるかと思います。※ハチロク=6/8拍子の事です
ただし、このリズムはワンコーラスを通常通りにブルースを12小節と考えると厳密には「ハチロク」ではありません。
6/8拍子(=1小節に8分音符が6コ)で考えると倍の24小節になってしまいますので、ワンコーラスを12小節と考えると12/8拍子(=1小節に8分音符が12コ)になります。
でもそんな事はあまりブルースセッションの場では関係ありません。
大事なのは2ビートと同様に「伝わる事」なのです、そして「ハチロク」という言い方はドラムの方にとっては便宜上とても伝わりやすい言葉だと思います。
まとめ
途中で何度か書きましたがブルースセッションに限らずスマートにカッコ良く進行する為に「便宜上」の使われ方をしている言葉ってきっとあると思います。
でも大事な事はやりたい事が「伝わる事」だと思います。
でもこれってブルースセッションの事を知らない人には「伝わらない」事なんだろうと思いましたのでこういう記事を書いてみました。
参考にして頂けたら嬉しく思います。
また、僕の間違った認識等がありましたらコメント等で教えて頂けたらと思います。
・シャッフル
・スウィング
・8ビート
・2ビート
・スロー(3連)
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