ブルースに取り組むと音楽的な個性が磨かれます

ギター雑記
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こんにちは。

この記事ではブルースに取り組むと個性が磨かれる理由を書いています。

この記事を読んでいる方は「ブルースだけしか演奏しない」という方はほとんどいらっしゃらないと思います。

ブルースを通してお知り合いになれた方は、僕の知っている限りでもロックやポップス(新旧問わず)のバンドをやっている方、フォークソング弾き語り活動、セッション以外の演奏活動はほぼない音楽制作者などなど色々な方がいますが

ブルースしか演奏しないし聴かないよ

という方はぱっと考えても思い浮かびません。

むしろブルースを良く知っている方は、他の音楽にも精通している方がとても多い印象を持っています。

そして皆さんブルース以外の音楽をする時にブルースの演奏から学んだ事はとても役に立つ事をお話されます。

ここでは僕がブルースを通してお知り合いになった方との話の中から、ブルースの演奏を通して学べる「個性(オリジナリティ)が磨かれる」という点についてまとめてみました。

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ブルースに取り組むと音楽的な個性(オリジナリティ)が磨かれる

オリジナリティについて

音楽を聴いていて「これは○○ならではの世界観だな」みたいな印象をもてるミュージシャンって沢山いらっしゃると思います。

僕はロックやジャズが好きなのですがこのジャンルでも一味違ったりとてもユニークな作品を作っている人には独特な印象を持っている人が沢山います。

「オリジナリティ」とは「独創性」と訳されるようです。

ここで思う事があります。

これはとても当たり前の事ですがしっかりと認識しておく事はとても重要だと思っています。

僕が音楽を聴く時に独創性を感じる人は、「ゼロから音楽理論を確立して音楽作品を作った」ものでは無いという事です。

そして独創性は既に確立され世界中で使われている音楽理論を用いていて、その中で今まで誰も踏み込めていなかった新しい側面をほんの少し提示する事ができたらそれは独創的=オリジナルであると世の中に認められるという事です。

 

「形無しではだめ、型破りにならなきゃ」

有名な話のようなのでご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、歌舞伎役者の十八代目中村勘三郎さんがTVで話しているのを見て忘れられない言葉がありました。

それが見出しの「形無しじゃだめ、型破りにならなきゃ」というものです。

歌舞伎界のエリートの中のエリートである中村勘三郎さんをこのブログで語るのはおこがましすぎてどうなのかとも思ったのですが、それだけにとても説得力があると思ったので書いてみました。

僕はこの言葉をTVで話されているのを見てから妙に忘れられずに覚えています。

創造性(独創性)について、自由にやりたいようにやるという事じゃなく受け継がれてきた枠を超越する事が個性といった内容だったと思います。

僕はこの考え方は音楽にも当てはめて考えられるんじゃないかなと思っています。

音楽でスターになった人はこの考え方に沿ってる人ってとても多いです。

ビートルズやマイルスデイビスといった方々も無秩序な音楽の創作では無く他の人が考えなかった事をやったり今までの価値観に縛られずに新しい側面を提示して、しかもその作品が素晴らしかったのでパイオニアになったと理解しています。

ブルースの枠で考えてもジミ・ヘンドリックスやチャック・ベリーといった方々も型破りだからこそ、ブルースという枠を超えて今もなお語られるんじゃないかなと思います。

ジミヘンは「レッドハウス」というブルースを音源として残していますが、ブルース進行の曲でもこんなとんでもない演奏を残していますのでこの曲をまだチェックしていない方は必聴です。

この曲に残したギターは本当に凄すぎて「型破り」という事を考えた時に僕は真っ先にこの演奏を思い浮かべます。

音楽で人が聞きたいのは「その人からしか聴けない何か」です。

ライブやコンサートも音楽・楽器の経験年数に触れたいわけでもなく優れた音楽的な実績や肩書きに触れたいわけでもありません(とはいえ著名な人の演奏であれば○○観てきた!と言えるとは思います)。

人は「熱くさせてくれるもの」であれば聴く価値があると判断します。

僕もそういうステージであったら時間と足とお金を払って見に行ってよかったと思います。

そして肩書きはとても素晴らしいけどまったく情熱のない演奏技術だけで時間を消化させただけのステージを見せられた時は、「お金も時間も返して」というとても悲しい気持ちで帰ります。

ブルースという音楽は形式の面では目新しい要素はまったくありませんので情熱のない演奏はとってもつまらなくて寒いものになってしまいます。

しかし誰でも参加できるブルースセッションのステージで心を空っぽにして演奏する人なんていません。

ブルースの場合は先にも書いた通り音楽的な目新しさは皆無なので自分の精一杯で演奏する時、それは確実に「その人からしか聴けない何か」になっています

その精一杯の限界値が高いほどライブハウスは沸きます(これはブルースに限りません)。

ロックやポップスでは音楽のオリジナリティも問われますが、ブルースの場合は極論ですが情熱だけが問われる音楽と捉えても間違ってないと思います。

技術が不足していて多少ブルースの音楽的な形式から外れたってものすごい情熱で演奏していたらライブハウスは沸いちゃうのがブルースです。

ブルースは多少上手な「形通り」な演奏よりもものすごい情熱の籠った「型破り」な演奏の方がその人の個性が十分に出て来てしまえる魔法の音楽です。

 

オリジナリティは「ゼロからの創造」ではない

オリジナリティが何かについての正解を僕は知りませんが、とはいえ「100%オリジナル」というものは世の中には無い気がしています。

音楽に関していえば天才音楽家の先人の積み重ね(理論)を無視したものは独創的ではあると思いますが、オリジナリティのみが問われるならノイズでも良くなります。

音楽は独創的なものが楽しめるものであるとは限りません

売れる物が全てとは全く思っていませんが、とはいえそれを耳にした時に共感できたりスリリングであったり泣けるものであったりしなければ音楽的な価値はありません。

オリジナリティが「ゼロからの創造」と考えるのであればブルースや他の受け継がれてきた音楽に取り組む必要はないと思います。

しかしそうではなくてオリジナルの定義を「今まで触れられなかったり到達できなかったエリアをはじめて描いた」としてこの記事の考え方に賛同できるのであれば、ブルースは確実に取り組む価値があるものです。

ジョンレノン、ミックジャガー、ジミーペイジ、リッチーブラックモア、フレディマーキュリー、エドワードヴァンヘイレン、イングヴェイマルムスティーン、ヌーノベッテンコート。

挙げたらキリがないですがロック界でパイオニアとして長く活動を続けている人はブルースに限らずクラシック・オペラ・ラテン音楽などの自身の音楽的なルーツを隠す事はまったくせずに先人に対する尊敬が先にあってその上で「今まで触れられなかったり到達できなかったエリアをはじめて描いた」と言える人達ばかりです(中にはオマージュの想いを商業的な大成功のずっと後になって表明している方もいらっしゃいますが僕は良いと思います)。

当然パイオニアの人達がどんな苦労の末にミュージシャンとして成功を手に入れたのかなんて僕には到底わかりませんが、しかし「ゼロからの桃源郷的な自己表現」が評価されたのではなく「過去の存在に大いに啓発されて苦闘の末に昇華させた音楽」が評価されたものであると言えると思います。

「形無しではだめ、型破りにならなきゃ」という言葉もこういう事を指していると考えています。

個性を磨きたいならブルースは最高の選択肢の1つ

もしこの観点に共感できるようでしたら、個性(オリジナリティ)を磨くという面でブルースは間違い無く最高の選択肢の1つです。

更にブルースは新しいものを生み出さなきゃ価値が無いというものでもありません

ブルースのレジェンドが既に何十年も前に示している演奏であっても、ブルースセッション等で見聞きできる演奏でも心から湧き出ている演奏であれば人は聴いていて本気で胸を打たれます。

僕はそういう演奏に何度も胸を打たれてきました、そしてそういう音楽の場でとても気持ちのいいお酒を頂いてきました。

そして模倣のみで終止した演奏に対しては「上手いなぁ」という感想はあっても感動する事は無いと思います。

何十年も前に偉大な先人によって提示された演奏であっても目一杯の情熱で演奏されたものには人は感動します。

そしてそこには確実にオリジナリティがあります。

「誰も見た事のない新たな側面がない演奏には価値はない」なんて僕は絶対に思いません。

 

「型」は当然ブルースでなくてもいいです、クラシック・ジャズ・ラテン・邦楽などなど受け継がれてきている音楽は世の中に沢山あります。

ブルースはあくまで選択肢の1つです。

僕は運が良くブルースと出会えたのでブルースと向き合ってみましたが、先にも書きましたがブルースはハードルの低さやブルースセッションという文化の存在からも繰り返しになりますが「型」として確実に最高の選択肢の1つです。

 

興味を持てたら是非ブルースという音楽と向き合ってみてください

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まとめ

この記事では作曲をする上でも演奏をする上でも、ブルースは個性(オリジナリティ)を磨く上で最高の選択肢である事を僕なりにまとめてみました。

ブルースに関心を持って頂けましたらこのブログでブルースセッションについてとブルースセッションで扱われる定番曲について詳しく書いたものがありますので是非チェックしてみてください。

またブルースは部屋で弾いていても気が付けない事だらけです。

少しブルースに取り組んでみて、すこしブルースが弾けるようになったら是非ブルースセッションに足を運んでみてください。

ブルースは人と一緒に演奏しないとその魅力にはまったく気が付く事ができません。

ブルースセッションの定番曲や演奏についてもこれからも少しずつ書き足して行こうと思っています。

ご要望やご指摘等ありましたらお気軽にコメント頂けたらと思います。

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