こんにちは。
ここではギターをはじめたばかりの方へ自分で行える簡単なギターの調整の仕方について書いています。
普段からギターに十分な手入れをしれいる方であればこの記事は当たり前すぎて不要な内容かと思いますが、意外と僕と同じようにギターへのケアがおろそかになりがちになっている方っていらっしゃると思います。
指の触覚センサーは普段気にする事って少ないと思いますが、例えば新聞の折り込みチラシと官製はがきをそれぞれつまんでみると厚さの違いを確実に認識できるくらい繊細にできています。
一般的なチラシの厚さは0.9mmで郵便はがきや名刺は2mmだそうです、それぞれの紙をつまんでみると指が感じる負荷の差がわかりやすいと思います。
こう考えるとギターで1mmの弦高の差が演奏に与える影響もなんとなくイメージできると思います。
もし今弾いているギターのメンテナンスが最後に行ってから時間が経っている場合、弦高に1mm程度の無駄な高さが生まれている事はめずらしくないと思います。
ギター初心者の方や調整無精の方は少しメンテナンスするだけでギターのパフォーマンスがもの凄く上がる事があると思いますのでお時間ある時に是非この記事の内容を行ってみてください。
自分で行える簡単な調整・メンテナンス
この記事ではサウンドハウスのyoutube解説動画がとても素晴らしいので使わせて頂こうと思います。
※サウンドハウスさんから動画貼り付けの承諾を頂いております
日常的に行える調整・メンテナンス
ブリッジのバネの調整
※レスポールタイプのようなブリッジ固定のギターはこの調整はありません
弦のテンションにつられてブリッジが次のような浮いている状態になっているとチューニングが安定するまで時間がかかったり時間と共に弦高が高くなっている可能性があります。
これを下の写真の「浮きを解消したブリッジ」の状態にする為にギターのボディ裏にあるカバーを外して中にあるバネを締めてバネのテンションをきつくします。
ちなみにドライバーでひらがなの「の」の字を書く方向に回すとネジは締まり逆方向だとネジは緩みます。
ブリッジのプレートがギターのボディと水平になる所までネジを締めていけばOKです。
ネックの反りの確認
弦を張ってチューニングを済ませたらネックの反りを確認します。
次のサウンドハウスの動画がとてもわかりやすく親切な解説です、動画のタッピング法で反りを確認する事が出来ます。
弦とフレットの隙間が0.5mmくらいが理想だそうです、身近なものだとシャーペンの0.5mm芯が使えると思います。
それ以上に大きく隙間があったら順反り、弦とフレットがくっついていたら逆ぞり状態です。
もしタッピング法でネックが逆反りを起こしているとわかった場合はすこし長めの定規を使って逆反りの程度を確認する事ができます。
弦を緩めて(ヘッドにトラスロッドが見えてないものは弦を外してネックとボディを離して)動画を参考に反りを直してみてください。
トラスロッドは非常にデリケートなパーツですので慎重に回すようにしてください、確実に反っていると確認できなければ調整は不要です。
回し過ぎでトラスロッドを折ってしまうという話もあるそうです、僕は折った経験がないのでどこまで回したら危険という事はわからずお伝えする事が出来ないのですが安全な使い方の目安としては解説動画で触れられている通り45°までとするのが良いと思います。
45°を超えて回す必要がある場合はくれぐれも慎重に回していってください。
もし45°回しても改善されなかった場合は90°まで回して反りが改善されてないか確認してみてください。
一度に90°以上を回すのはハイリスクです。
それでも反りが改善されなかったら順反りなら一度手を止めて弦を緩めた状態で一晩寝かせ、逆ぞりなら弦を張ってチューニングした状態で一晩寝かせて翌日再度反りを確認する事をお勧めします。
ネックの反り状態は弦のテンションに大きく左右されます。
弦を完全に外した状態で数日ネックに負荷をかけない状態で保管(角度をつけて壁に立てかけない)しておくだけでもネックは順反り気味になる事もよくあります。
弦の高さ調整
ネックの反りを確認したら弦の高さ(弦高)を調整します。
ブリッジのバネの調整、もしくわネックの反りの調整を行っていたら弦高の調整は必須になります。
こちらもサウンドハウスのyoutube解説がとてもよくわかります。
動画では12フレットのフレット頂点と弦の距離が6弦では2mmで1弦では1.5mmと説明されていてここは諸説ある(また楽器やメーカーによっても変わる)そうですが僕はこの弦高を参考にしていてまったく問題を感じませんので、演奏スタイル等にこだわりが生まれるまではこの通りに調性して良いと思います。
弾きやすさ、ひいてはギター上達に直結する部分ですのでここは是非確認してください。
オクターブ調整
最後にオクターブ調整を行います。
チューナーでは開放弦(ブリッジからナットまで何も押さえていない状態)のチューニングを行いますが、オクターブ調整が狂っていると開放弦以外の弦を押さえた音は正しいピッチで鳴ってくれなくなってしまいます。
厳密に言うとギターは開放弦以外は常にピッチが揺れてしまう楽器なのですが、オクターブ調整を行う事でピッチのズレを最小限に抑える事ができます。
これはたとえ開放弦のチューニングがばっちり合っていてもオクターブ調整が出来ていないとただでさえズレやすいギターのチューニングが更に大きくズレてしまうので可能な限り避けたい事です。
オクターブ調整とはブリッジ上の弦と触れている駒を前後させて開放弦の長さを変える事です。
オクターブ調整の仕方もサウンドハウスのyoutube解説がとてもわかりやすいです。
解説では開放弦12フレットハーモニクス音をチューニングしてから同じ弦の実音の合わせる方法を説明されています。
ハーモニクス音の出し方がわからない場合は12フレットを押さえた音と同じ弦の開放弦の音を合わせる事でもオクターブチューニングは可能です。
12フレット実音でオクターブチューニングする場合は以下の手順で行ってみてください。
②12フレットを押さえた音をチューナで確認
③音が高かった場合駒をブリッジ側へ下げ、音が低かった場合はヘッド側へ駒を上げる
※12F音が高い=12Fからブリッジまでの距離が短い為弦の長さをすこし長くするという事です
日常的に行う調整はここまでで大丈夫だと思います。
フレットの擦り合わせについて
ギターの使用期間や使用頻度によってはフレットと弦が当たる部分が摩擦によって減ってきます。
このフレットの削れもギターのパフォーマンスに影響が出てきます。
リペアショップへフレット交換した方がいいかなと思っても、フレット交換はなかなかな出費になります。
フレットのすり合わせは専門性の高い職人分野なので僕ら一般のユーザーには細部に至る均一なら均しまでは難しいのですが、しかし費用を考えると「失敗したらリペアショップへ」の精神でに持ち込む前にダメ元で自分で行う価値は大いにあります。
半日自由な時間と頑張る意気込みがあれば費用は掛けなければ数百円で行えますのでフレット擦り合わせはお勧めします、楽器への愛着が跳ねあがります。
僕のフレット擦り合わせログや他サイト様の解説、youtube解説等沢山の参考資料があります。
色々と参考にしてみて是非チャレンジしてみてください。
まとめ -調整アイテムに関して-
この記事では日常的に行えるギターのメンテナンスについてご紹介しました。
参考までにここで紹介したギターの調整は以下の道具を使用しました。
メンテナンス項目 | 使用工具 ※( )は日用品・市販品流用可 |
弦の張り替え | ニッパー ストリングスワインダー 交換弦 |
ブリッジのバネの調整 | ドライバー |
ネックの反り(トラスロッド調整) | ドライバー 六角レンチ ボックスレンチ ※楽器による |
弦高調整 | 定規 角レンチ ドライバー |
オクターブ調整 | ドライバー チューナー |
基本的には特別なアイテムは無いので一通りお手元に揃っていると思います。
弦高確認の定規も定規の端が0としてスケールが打たれているものであれば大丈夫だと思います。
ただこちらの定規を使うと弦の高さを見定めやすくなりますので最後にお勧めしておこうと思います。
6弦と1弦の推奨弦高も記入されていてとても便利です、そしてしっかりと高さを決める事ができます。
是非参考にしてみてください。
コメント