こんにちは。
ここではギタリストはブルースを知っておいた方がいいかどうかについて僕が思う事を書いてみます。
ここで言っているブルースはいわゆる「シカゴブルース」を対象にしています、この記事に限ってはブルースと書いてあったらそれはシカゴブルースの事と思って頂けたらと思います。
今の僕のブルースへの理解はまだ浅いものですが、この記事の結論は僕はブルースは必須とは思っていないというものです。
関心が無いのに無理して取り組むものでは無いと思います。
この記事はブルースの演奏マナーは必須のスキルでは無いけど、しかし取り組んだら得られる事が沢山あるという僕の個人的な考えを書いています。
もしこのテーマについて関心のある方は暇つぶし程度に読んでみて頂けたらと思っています。
昨今のブルース事情について
このトピックは、きっと世代によっても考え方は違ってくるんだろうなと思います。
僕は10代20代の頃に友達同士でブルースを学んだ方が良いかどうかについて時々話ししていました。
飲みの席などでこういう話題になると盛り上がっていました。
皆さん好きな事を語る時には熱が入ってしまう事かと思います。
またまだ若かったので僕はロックの雑誌は読み漁っていましたし(高校生の頃の愛読書は『BURRN!』でした)ロックについての話しは大好きでした。
でも当時ブルースの事はよくわからなかったです。
しかし雑誌などを読んでいるとブルースという言葉は本当に良く出てきていました。
なのでブルースというものについての関心は当時もありましたが、とはいえ僕にとっては身近な音楽ではありませんでした。
ですのでブルースをするには積極的に取り組まない限り、特に僕よりも下の世代の方にとってブルースは「ちょっと遠い音楽」じゃ無いかなと思います。
子供の頃から親の影響でブルースに慣れ親しんでいるという環境でもない限り、身近にある音楽では無いんじゃ無いかなと思います。
僕はロックが大好きでギターに夢中になっていましたが、そんなギター人間の僕でもブルースは遠い音楽でした。
現代はジャズやラテン音楽などは街中や喫茶店など至る所で流れますがブルースはなかなか耳にも入って来ません。
こういう事情からも基本的にはブルースは他の音楽よりもずっと馴染みの薄い音楽なのかなと思います。
ブルースを演奏出来るけどシカゴブルースを知らないプロの方は沢山いらっしゃると思います
もし関心があるのなら、ギタリストであれば僕はブルースと向き合ってみる事を強く勧めたいと思っています。
でも関心が無いのなら無理してやらなくてもいいと思っています。
世の中には本当に色々な音楽があって、ブルース以外の音楽でもギターは活躍できるからです。
クラシックギターもありますしフラメンコギターもあります。
勿論ジャズやロック、ポップスでもギターは活躍しています。
僕は今ではブルースが大好きで他のジャンルの音楽をする時も僕の中では確実にブルースが土台になっていますが、しかし全ての方にとってブルースが土台になり得るかと考えるとそんな事は無い気がします。
ジャズギタリストの方で僕がブルースが大好きですと伝えた事がありました。
するとその方は、
ジミヘンとかバディガイとか聴いてみた事があったけど何が良いのかよくわからなかったよ、わはは
と話された事がありました。
女性の方であれば尚更この傾向は強いんじゃないかなと思います。
ちなみにその方はジャズギターでライブもされていて、音楽講師も務めていられるくらい技術面も素晴らしく音楽経験も豊富なプロの方でした。
なんとなくこの手の音楽をされている人は皆ブルースを通っていると思っていたのでこの話しを聞いた時はちょっとだけ驚きました。
でも実際はこういう方は沢山いらっしゃると思います。
関心のある音楽があったり、今夢中になっている音楽があるのならブルースと取り組むべきかどうかと考えるより好きな音楽と向き合った方がきっと良いと思います。
時間は無限にはありませんので、人は自分の関心があるものにしか時間も労力も使えないと思います。
ブルースをお勧めしたい方
ここまでを踏まえた上で以下の事に関心があるという方は、僕は今ブルースの事をよく知らなくてもブルースと向き合ってみる事をお勧めしたいと思います。
ブルースを勧めたい理由も挙げたらきりが無いのですが差し当たって思いついた事を挙げてみます。
・超絶テクニック以外のギターの演奏技術に関心のある方
・形無しと型破りについて関心がある方
手に入れた演奏技術を生かせていないと感じている方
僕はギターを始めたばかりの頃は早弾きにしか関心がありませんでした。
ひたすら練習していると、指の動かし方もわかるようになって弾きたい曲も弾けるようになってくると思います。
中にはギターのレッスンや学校などでギターを習って演奏スキルを手に入れた方もいらっしゃるかもしれません。
僕は色々と練習して目標としていた事が弾けるようになった頃、手に入れたこれらの技術の生かし方が当時わかりませんでした。
もし同じような事で考えたり悩んでだりしている方であれば、僕は1度ブルースの世界に入ってみる事をお勧めします。
今僕はわかっているとはとても言えないのですが、それでも1度どっぷりとブルースに浸かった事でブルースの理解はもとよりギターへの理解はとても深まりました。
ギターの可能性については書籍や動画では知れない事が沢山ある
またギターで出来る事の可能性についても僕はブルースに取り組んで初めて知った事が山の様にあります。
このブログで色々とブルースセッションについての事を書いていますが、やはり僕はブルースセッションは本当にお勧めしたいです。
物凄く上手な方からは実際にそのステージでの演奏から感動させられたり、「どうやって弾いてるんだ!?」というような文字通り見た事のない奏法なども直接目にする事が出来たりします。
ピックで弾く人、指で弾く人、スライドバーを駆使する人、エレキでカポを使う人、サムピックを使う人、マニキュアを付けてメンテナンスして爪で弾く人、普通のギターをひっくり返してレフティーで弾く人等々、本当に色々な方がいます。
見た事のない奏法も本当に色々とあって言葉にするのは難しいのですが、「なんじゃそりゃー!」と言いたくなるような奏法をする方もいたりします。
気が付いたら僕もブルースやジャズではピックを持つ事をやめていました。
ギターのスタイルについては僕のように変える必要は当然無いのですが、今までに修得した指の動かし方はもちろん活かせます。
その上でブルースの演奏に触れる事で新しい事がインプットされて更に高い所にいけると思います。
自分に技術が無い事を学んだ
僕は最初、ブルースって音源で聴いてると簡単そうに聞こえるし音源からキーを確認して一緒に演奏してみてもロックから感じるワクワク感も特に得られませんでした。
ちょっとだけ脱線するとそんな中でもスティービー・レイ・ボーンだけは別格で他のロックと同格のカッコよさを感じられました、今これを書いていて思ったのですがスティービー・レイ・ボーンがいなかったら僕ブルースやってなかったかもしれないです。
それでもブルース特有の空気感が最初はなんともしっくり来なかったので、すぐにブルースの世界には入っていけなかった事を覚えています。
ブルースやった方がいいのかなと思ってブルースの音源に合わせて適当に弾いてみてもつまらないと思った事を覚えています。
凄まじい早弾きも無いですし(スティービー・レイを除く)、ドキドキするコード進行もないです。
というかそもそもコード進行は基本的に全部同じです。
そんな中、僕は一度友達に誘われてあるブルースセッションに参加した事がありました。
初めてブルースセッションに参加してみた時、表現できる言葉が見つからないくらい悲惨な演奏をしました、何もできませんでした。
見るのとするのは大違いという話はいろんな所で耳にしますが、実際にブルースを演奏するというのは想像を絶してました。
僕の中ではブルースは簡単で単純なものだったはずなのですが、まったく簡単で単純ではありませんでした。
ブルースは技術的に難しくないはずだったのに、まったく弾けませんでした。
つまり僕の場合ブルースからは、ブルースを演奏する事で僕には技術が無いという事を教えて貰いました。
ここを突っ込んでいくとまた記事が長くなってしまいますので他の記事でちょっとずつ書いていこうと思いますが、「演奏技術=はやく弾ける事」という考え方を変えてくれたのが僕にとってはブルースでした。
自分の演奏に歌心が不足していると感じられる方
とはいえ、凄まじくテクニカルな演奏が出来る様になる事ってやっぱりそれだけで価値があると思います。
僕が出来ない超絶テクニックを実際に見れたりすると、昔と変わらず感動して憧れてしまいます。
今まで修得したその技術を僕のように放棄する必要はまったく無いと思います。
ブルースで早弾きをしてもいいですしタッピングをしてもいいですしアーミングをしても大丈夫です、実際に超絶テクでブルースを演奏される方もいらっしゃいます。
僕の知っているその方はハーモニクス+アーミングまでやって、しかも客席を沸かせまくっています。
歌心があればどんな演奏も受け入れちゃえる土壌がブルースにはあるんだと、その方の演奏を通じて僕は体験しました。
個人的にはその方の演奏をよく見て聴いて思ったのは、歌心云々はリズムへの理解の深さなのかななんて思ったりもしました。
正解はもちろん僕にはわかりませんが、なんにせよブルースの上でスーパーテクニックを演奏してそれが客席から「あり」という反応が得られた場合はその演奏は間違いなく歌っている演奏なんだろうと思います。
これは物凄くハードルが高いと思いますし僕もとっくにこの路線では勝負できないのですが、実際にブルースでスーパーテクニックが散りばめられたソロを始めて目の当たりにした時の衝撃は凄まじかったです。
こういう方も実際にいらっしゃるので、手に入れた技術に人を沸かせる歌心を上乗せして更なる高みを目指すという目標をもってブルースと向き合ってみるのもいいんじゃないかなと思います。
「形無しではだめ、型破りにならなきゃ」について賛同できる方
有名な話のようなのでご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、歌舞伎役者の十八代目中村勘三郎さんがTVで話しているのを見て忘れられない言葉がありました。
それが見出しの「形無しじゃだめ、型破りにならなきゃ」というものです。
歌舞伎界のエリートの中のエリートである中村勘三郎さんをこのブログで語るのはおこがましすぎてどうなのかとも思ったのですが、それだけにとても説得力があると思ったので書いてみました。
僕はこの言葉をTVで話されているのを見てから妙に忘れられずに覚えています。
創造性について、自由にやりたいようにやるという事じゃなく受け継がれてきた枠を超越する事が個性といった内容だったと思います。
僕は今でもこの考え方は音楽にも当てはめて考えられるんじゃないかなと思っています。
音楽でスターになった人ってこの考え方に沿ってる人って多いんじゃないかなと思います、ビートルズやマイルスデイビスといった方々も無秩序な音楽の創作では無く他の人が考えなかった事をやったり他の人の様に縛られずに新しい価値観を提示して、しかもその作品が素晴らしかったのでパイオニアになったという感じに理解しています。
ブルースの枠で考えてもジミ・ヘンドリックスやチャック・ベリーといった方々も型破りだからこそ、ブルースという枠を超えて今もなお語られるんじゃないかなと思います。
ジミヘンはブルース進行の曲でもとんでもない演奏を残していますのでこの曲をまだチェックしていない方は必聴だと思います、この曲に残したギターは本当に凄すぎて「型破り」という事を考えた時に僕は真っ先にこの演奏を思い浮かべます。
もしこの観点に共感できるようでしたら、ブルースは最高の選択肢の1つであると思います。
強い気持ちが無いとブルースでの演奏は本当にありきたりな演奏で終わってしまいます。
この観点で共感できるものがあれば、僕は1度ブルースと向き合ってみる事をお勧めします。
まとめ
いつもに増して自己満足記事を書いてしまった気がしています。
最初にも書いた通りギタリストは絶対にブルースを1度は通った方がいいとは僕は思わないのですが、ここの記事の内容に共感する部分がもしあるようでしたらブルースから得られるものはきっとあるんじゃないかな思います。
このブログの他の記事も読んでみて少しでも関心持ってもらえたら嬉しく思います。
・超絶テクニック以外のギターの演奏技術に関心のある方
・形無しと型破りについて関心がある方
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